合奏の経験があって、リズム感のいい人が、いかに能力が高いか・・・・
2012-06-04 20:30:11
テーマ:リズム感、その「深化論」
+++++
こんにちは、ビーツ・アップ 前田 憲です♪
リズム感がいい人 って、どんな所がすごいんでしょう?
たとえば、「正確なリズムを刻める」のもそのうちの一つ。メトロノームで練習しても、ぴったり合っている。ずれない。
僕も、ドラムをはじめたての頃は苦手だったけど、プロになる決意をしてからメトロノームで練習し出し、徐々に「リズムが正確に」なっていく手応えをつかめるようになった時期があった。
*****
メトロノームとぴったりリズムが合うようになってきた頃。
自信満々で、先輩と共演して、僕は半分「どや顔」で「ホメ言葉」をまっていた。
で、演奏が終わってから、先輩はこう言った。
「おまえ・・・全然やな。リズムがあってないから、気持ちよくないわ!」
ガ~ン!!
なんでやねん???
さて、この時の僕の演奏は、一体どんな風になっていたんでしょう。
答えは簡単。
結局、自分の演奏を「正確にやる」ことばっかり意識して、人の音を聴かず、「ずれててもおかまい無しのビート」を出していたんですね~
じゃあ、どんな風にすれば良いのか?
つまり、人の音を聴きながら、自分もちゃんとやる。すると、ずれても、前向きに修正できる。
キーワードは「チームワーク」なんですね~
*****
たとえば僕の「ドラム道場」でよくやるネタなんですが・・・
リズムのパターンを、何人かで合奏します。
で、だれかが、
今プレイしているパターンと「あきらかに違うもの」をやったら、みんなで一斉に止まる。
1小節やすんで、次には、違うパターンをやらなければならない
(3つほど用意して順番を決めときます)
ってのがあります。
文にしたら、簡単そうに見えますが、実際にやって見るとみなさん・・・
さんざんになってしまいます。
なんでかっていうと、
単なる手拍子じゃなくて、「パン、パパ、パン」みたいな、少しひねってるリズムパターンなので、難しいんです。
「パン、パパ、パン」を、しっかりイメージしながら、叩くことが重要。
しかも平行して、共演者の手拍子も、しっかり聞かなければならない。
そして、その作業をしながら、「違うパターン」を聞き分けて、止まらなければならない。
仕上げに、1小節休んだあと、決められた別のパターンをやらなければならない。
こんな感じです。
どうでしょう?
やることいっぱいあるでしょ!
これって、「段取り力」が要求されるんですね。ものすごく。
しかも、リズムを叩きながらなので、普通の段取り力よりもっと高度な
「動的な段取り力」
といったものです。
プラス、注意力がとっても重要。同じく単なる注意力ではなく、
「動的な注意力」
といった、レベルの高い注意力を要求されます。
そして、チームワークの要はなんと言っても
「動的に、人の音をよく聞く」
しかも、自分の演奏もしっかりしながら♪
**********
こういった、チームワークのスキルは、戦いの場にも応用可能です。
たとえば、人の話も聴きながら、自分の意見もはっきり言わなければならない「取引」や「会議」などでは、まさにどんぴしゃり使えるテクニックだと思います。
しかも、相手の「ちょっとした話の変化」を察知できるわけですから。おもしろいでしょ。
でも、お仕事の折衝だったら、べつに一定のリズムでしなくていい。
なんか不利になったら、1小節とは言わず「ちょっとお手洗いに失礼いたします」とかいって、リセットすることもできる。
音楽は、これを、一定のリズムでやらなあかん。
しかも「止まれない」。だから、
表面上簡単でも、内容は極めてむつかしい。
合奏の経験があって、リズム感のいい人が、いかに能力が高いか。仕事ができるのは一目瞭然ですね。
皆さんの音楽生活が、より豊かになりますように♪
ビーツ・アップ 前田 憲