基礎練の必要性を感じない人は、絶対に上達しません。
さらにいえば、フィードバックのない状態が、いかに恐ろしいか。
・・・そしてまさにこれこそが、基礎練のおいしい理由。今すぐ始めるべし!
2012-08-09 15:11:00
テーマ:ドラム攻略術!!
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こんにちは、ビーツ・アップ 前田 憲です♪
このコラムを読んでくださっているかたの、上達への探究心に敬意を表します。
ルーディメントをやるとこんなにいいことがある・・のを、皆さんあんまり知らない。
ルーディメントなど、非常にジミー(地味)な練習は、とっかかりがワクワクしませんので、ほとんどの人は避けて通ります。
しかしながら、やはり気になる。
なので、ちょっと練習してみよっかな〜って思ったりする。
ではその後、
みなさんどんなアクションを起こすでしょう?
- かじってみる
- ルーディメンツ全て叩けるようにする
- マーティング曲に挑戦する
当然ですが、この順番で「位が高く」なっていき、健全な上達が期待できます。
かじったことない人は、
とりあえずかじってみることをお勧めします。パラディドルを頑張ってみましょう。おそらく最初はうまくいきませんが、シングルとダブルを練習しないといけないことに気づくでしょう。
かじったことある人は、
一通り叩けるようにしてみましょう。意外と同じ手順が出てきたりするので、億劫なのは最初だけです。
で、
一通りやってみたことある人は、
それがなんやねん?
なんの役に立つねん?
ほんでこのあとどうしたらええの?
と思ってらっしゃる方多いです。
なので、「曲」に挑戦しましょう。
そうすると、
マーチング曲をやったことある人
になれます。
その人たちは幾つかのタイプに分けられます。
例えば、とにかく数をこなした!という方。
または、あんまりたくさんはしていないけど、1曲をじっくり取り組んだ経験のある方。
もちろん、一番いいのは、数多く、どれもしっかり取り組んでいる方。
いずれにせよ重要なのは「練習のときの意識の持ちよう」です。
さて、いったいどんな点に注意すればいいのでしょう??
「上達」するためには、ある条件がつかないとほとんど効果がないのです。
それは「良質なフィードバックがあるかどうか?」ということ。
たとえば「録音して聞いている」って人は、まあまあ存在します。
ですが、それが「あってるのか間違ってるのか、判断する音楽力がない」っていう人は、かなりたくさんいます(特にドラマーは)
おそらく「自分は大丈夫」って思っている人がほとんどなんですね。
はたして、あなたは大丈夫でしょうか?
キソ練の美味しさ抜粋7点。
さて、僕が基礎練習を「強力にお勧め」する理由は、以下の様な「演奏力・音楽力」が身につくからです。
- 手順(左右どちらからでも大丈夫)
- 強弱のノウハウ(タイムが乱れない)
- 3連と16分音符が混じるチェンジアップ(ポリリズム感)
- アクセント移動(タイム感の強化)
- 拍子感(もっともアマチュアが軽視する部分)
- 呼吸(演奏に説得力が増す)
- 歌心(イメージや感情を演奏に乗せる)
つまり、ええことしかないのです。
しかし、基礎練はやり方次第では効果的になったり、時間の無駄になったり、様々なのです。
しかも、例えば、7.歌心 だけでは音楽はできないんですね。やはり、テクニックの裏付が必要なんです〜
また、5.拍子感 があっても、隠れたパルス(サブディビジョン)を感じないと、グルーブしません。
テクニックと歌心があっても、アーティキュレーションがわかっていなかったら、音楽にならなかったりします。
これさえやっときゃいいって云うのは・・・
残念ながら「ない」と思ってください。
ただ、
練習や演奏の時に「これを常に意識しておけば上達が早い!」という鉄則は必ずあります。
そして、ドラマーはおおむね音楽経験が浅く、メロディーやハーモニー、キメやしかけなど音楽を成立させる部分に取り組んだことがない人が大変多いです。
でも安心してください。メロディーやハーモニーを操れなくても、感覚があればいいのです。
とにかく上達する練習の秘訣は「パッケージング」です。
このお話が「直感的に」大切だ!と分かる方は、音楽経験が浅くても上達します。
以下、興味ある方はぜひごらんください。
フィードバックがない環境で音楽をやることの恐ろしさとは?
たとえば、うちの「ドラム道場」で使っている、
All American Drummer
大変有名なマーチングソロ集ですが、この曲を自分で叩いて、ユーチューブにアップしているひとが結構たくさんいらっしゃいます。
ですが、ちゃんと叩いているのは一握り。
そういうひとは
- 映像に顔を出しています
- 名乗っています
- 本物のスネアを使っています
では、そうでない人は?
たとえば、こんな恥ずかしいものをユーチューブにアップしてしまったりします・・・
難曲ですが、
All American Drummer solo no19
興味ある方はご覧になってください。「ソロNO19」に関して言えば、この3つの条件を満たしているものは私発見しておりません。
その中でもまだまともなのは「顔出し」「名乗り」があるのに、残念ながら練習台。お2人とも、譜面は読めてますが・・・
音楽的に素晴らしいかどうかは皆さんのご判断にお任せします。
そのほかのものは、
- 顔見せてない
- 練習台
- 名乗っていない
です。しかも事もあろうに・・・
冒頭に出てくるダブルドラッグバリエーションを「読み間違えている」ものがすごく多い。
一体何のためにこんなものアップするのか?
僕にはさっぱりわからないです。
「間違ってるよ〜」って注意してくれる人もいないし、自力で気づけない。だからアップしてしまうんでしょうけど、やはり賢明な皆さんは、
「無知、そしてフィードバックがない状態が、いかに恐ろしいか」
ここを決して忘れないようにしましょう。
ちなみにこちらは私の演奏です。
ちょっとみんながやらないようなドラッグのタイム割りでやっております。そのため、わざとにゆっくり演奏しております。
まあ、賛否両論だと思いますが、普通にやっても面白くないのでこうなりました。
この詰め方だとダブルドラッグバリエーションは難しいですねえ(限定公開でアップしてます。また面白いの思いついたらアップしますね。)
基礎練習にも2種類あります。それは、
- おもしろい基礎練
- おもしろくない(または一見おもろない)基礎練
です。
大半の人は、おもしろい方ばっかりやって、おもしろくない方をやりません。
スピードアップとか、モーラー奏法とか、キラーストーンとか・・・
まあこれらは、テクニックをマスターするためには大変有効な練習ですが、「その先にあるもの」を見据えないと単なる自己満足に陥ってしまいます。
ノウハウもネット上にゴロゴロネタが転がっていますし、形だけなら結構誰でもマスターできるし、教えることもできます。
ただし、マスターしたからといって・・・
音楽にはなりませんし、音楽としては教えれません。決して。
なぜでしょう?
テクニックは材料みたいなものであって、音楽するには味付けなどの「料理」が必要だからです。
その際に必要なのは、歌心とか、タイム感とか、アーティキュレーションなど、演奏を成立させるフレームワークのようなものです。
野球に例えると、スピードボール投げれるピッチャーでも、配給間違えたり、気持ちがこもっていなかったら打たれますよね。
「玉は早いけど、試合は作られへん」って言われるんです。
ここで、賢明なかたは気づきます。
「じゃあ、おもしろくない方をやったら実力は上がるし、みんなが知らない美味しさをゲットできるのでは?」
と。
じつは、その通りなんですね。
- たとえば、タイム感の練習って云うのは、面白いものではない。
(やってるうちに面白くなるんですが・・・) - 小節線をきっちり守る譜面の練習も、とっかかりは面白くない。
(やってるうちに面白くなるんですが・・・)
では、おもしろくない練習の共通点とは?
「制約を課す」っていう要素がある
ということなんですね。
なので、面白くない。それは「しんどい」からなのです。
しかし、やってるうちに面白くなってくる。これも共通点です。
なので、面白くなればなるほど、上達するし、上達すればするほど面白くなる。
例えば、僕もたくさんの生徒さんをレッスンしていて思うのですが、上達する方は、制約を次々と要求しても、へこたれない。
「そこに何かある!」「もうすぐ面白くなる!」と、直感または経験でわかっているからなんですね。そう、じつは制約とは邪魔者でもなんでもなく、「ひとによい音を聴かせる」ためのノウハウそのものなんです。
逆に、すぐに音をあげるひとは「なんでそんなことせなあかんねん」と、顔に書いてあるかのよう。実際に発言したりする人も存在します。「もっと特急券ないんですか先生〜」とか。
「制約」こそが妙薬であるとも知らずに。
こういうひとは自分の好き勝手で、手っ取り早い方法ばかり求めて、大抵は自己満足。薄っぺらな音楽人生から抜け出れません。
または上達しないのを「向いていない」とか、挙げ句の果てにはドラムや音楽が存在するからだ!などと愚痴を言ったりします。
読者の皆さんには、ぜひシアワセになってほしいです。地道に楽しみましょう。
ところで・・・
皆さんにも「小学生」の頃って、ありましたよね?
そこでは「作文」とかやりましたね。
好きな人も嫌いな人も、小学校高学年くらいになったら「普通に文章かける」ようになるでしょう?
なんでって・・・
これ出来るようになるまでには、皆さん結構いろんなことマスターされたんですよ~
「ひらがな」「カタカナ」「漢字」「比喩(たとえ)」「擬態語/擬音語(ドッカーンとか)」「句読点」・・・
と、メッチャたくさんのワザがないと「作文できない」ですよね。
だから、ご自分を、褒めて上げてくださいね~♪
で、「ドラムの演奏」も実は一緒なんですね。
20世紀後半から、ドラムのパターンはすごく多彩になりました。
Jポップ聞いてても、ものすごい「カッコいい」リズムのパターンとかバンバン使われていて、すごい時代になったもんだと、感慨深いものがあります。
でも、今あるドラムのパターンは、遡ってたどっていくと「マーチング」から生まれました。ドラムを首からつるして、ラッパなどと一緒に行進しながら叩くやつです。
そして、実はマーチングって「手順が決まっている」のです!!
右手と左手の順番です。こう聞くと皆さんは、ドラムの手順って、
「右>左>右>左 って、交代にたたくもの」
って思ってらっしゃいませんでしたか?
実は、それだけではないのです!
今日は、主なもの「とりあえず」3つほどご紹介いたします。
- 右 左 右 左(一つ打ち 交代交代:シングルストローク)
- 右 右 左 左(二つ打ち:ダブルストローク)
- 右 左 右 右 左 右 左 左(混ざったもの:パラディドル)
こんなんが他にもたくさんあって、それを整理したのが「26種類のルーディメント」と呼ばれるものです。
特に3つめの、
- 右 左 右 右 左 右 左 左(混ざったもの:パラディドル)
をマスターすると「霧が晴れたように」ルーディメントのエッセンスが見えてきます!
でも考えてみたら・・・それらをすべてマスターするだけでも、結構な時間がかかりますよね~
でも「ちゃんとした作文」同様「ちゃんとした演奏をしたい」のなら、絶対に外せないのです。
そしてドラマーなら是非挑戦したいのが、マーチングの小曲集です。
<まとめ>なぜ、「ルーディメントだけでは不十分」しかも、マーチングの小曲をやる必要があるのか?
そこにはおいしい制約がほぼ全て出てきます。
キソ練の美味しさ抜粋7点。
- 手順
- 強弱のノウハウ
- 3連と16分音符が混じるチェンジアップ
- アクセント移動
- 拍子感
- 呼吸
- 歌心
テクニックも磨けるし、同時に音楽力もついていく。そんなネタが「満タンぎっしり」詰まってるからなんですね♪
ここを一つ一つクリアしていけば、聞いているひとも楽しい、結果もちろん自分もシアワセなプレーヤーに成長していけます。
まさにこれこそが、基礎練のおいしい理由。
まずはルーディメントから、チャレンジしてみませんか?
皆さんの音楽生活が、ますます豊かになりますように♪
ビーツ・アップ 前田 憲